フランス人の性 を読んでみました
こんにちはYUKAです。
今回は プラド夏樹さん著書、「フラン人の性」という本をを読んでみました。
性教育に興味のある人は是非読んでみてほしい本の1つです。
250ページ弱のそんなに分厚くない本です。
でも、フランスの知らないことが多すぎて結構ボリューミーでした。
本は5章に分かれていましたが、
1.フランスの性教育
2.フランスの性の歴史
3.フランス人の性の価値観
が主に本に書かれていたことだと思います。
文章書くのが下手な私なりにまとめてみました。
ここからはネタバレ含まれると思いますので、自分で細かく読みたいという方は、お引き取りください!
1.フランスの性教育
私はこの本を読んで初めて他の国の性教育というものをちゃんと知った気がします。
日本の性教育って、皆さんどんなものを受けましたか?
小学生:どうやって子供ができるのか(めっちゃやんわり)
生理が来たらどうするか(女子のみ)
中学校:男女の体の仕組み
高校 :男女に分かれての授業(女子は生理・ピルについて)
こんな感じでした。多分、多少の前後はあるもののあまり皆さん変わらないのではないかと思います。
フランス人の性教育は日本だと100%バッシングくらうんだろうなといったような内容でした。
フランスの性教育はそもそも幼学年から始まるそう。
愛情生活と性に関する授業
幼学年から小学校低学年 :家庭内での男女の役割を学び、疑問を持たせる
小学校高学年から中学2年:思春期の身体の発達、生殖器のしくみ
中学3年生 : 中絶、避妊、性感染
中学4年生から高校1年 :性的他者、性差別、ポルノグラフィー
高校2年生 :生殖医学、性的自認
というように、事細かく教えていくみたいなのですが
驚いたのは、その内容。8歳くらいの子供たちに
「子宮」「睾丸」「精液」「射精」と言った言葉を使って教育をさせるらしいです。
生徒たちはニヤニヤせず、まじめに授業に取り組んでいるそう。
今の日本じゃ絶対無理な気がします。笑
でも、フランスだって最初からこんな踏み込んだ性教育があったわけではありません。
1980年代の性教育は 人間の生殖の仕組みの説明のみだったそう
しかし、
90年代に入りフランスはエイズの時代に
日本では1995年、54人しかいなかったHIV感染者は、なんと、フランスでは11万人。
イギリス・ドイツの約3倍だったと言います。
ここから意識の変化は始まったんですね。
コンドームは売春婦と関係を持つときに の意識から
コンドームは絶対
と変わっていったそうです。
また、避妊の授業では、未成年の妊娠を勧めないようにし、
男女への教育が行われる。
著者の息子さんは16歳の時に
「彼女の家の近くの薬局が閉まっちゃって明日飲むピルがないから僕が買いに行くんだ」
と言ったそうです。
はたして、現代の日本の同世代の男性はピルへの正確な知識は持っているのでしょうか。
もしかしたら、女性でも知らない人がいるかもしれません。
そして、女性は自分の身を守るために「避妊をしましょう」と言われ続ける日本と違い
セックスは「パートナーと2人で考えるもの」という感性を持たせるフランス教育。
望まない妊娠をしないためには、しっかりと性教育はするべきだなと感じました。
ですが日本では
「セックスについて説明する」=「セックスを促す」という固定概念。
著書はこの考えについて疑問を持っています。
なぜなら、フランスでは15歳から18歳の90%以上がセックスより愛が大切だと考え、そのうちの3/4が 「初体験は恋人としたい」と答えているそう。
フランスの性教育 愛情生活と性に関する授業 の賜物だと思います。
だって、彼らは性に対する知識をたくさん持った上で、愛のあるセックスを求めているんですよ。
最強だと思いませんか?
2.フランスの性の歴史
次に、フランスの歴史について書かれていました。
そして、最初から面白いことかいてありました。
こんなに幼少期から性教育を受けて、なんなら幼少期には家庭内の男女の役割を勉強し、疑問を持つような授業を持っているのに他の欧州圏に比べて、フランスのジェンダーギャップは低いそうなんです。
えーーーーーーーー。
どういうこと?笑
実は、フランスでは2013年からジェンダー教育を試行したそうです。
ですが、なぜかうまくいかない。
その背景にはフランスには
「性差を大切にしたい」
と考えている人が多く存在しているからなんです。
しかも、劣勢に立たされているであろう女性にも多く存在しているのです。
最近では、日本人でも「男女の平等」を求める声が大きくなってきました。
私もその平等を求める1人です。
しかし、なぜフランスでは未だに性差を大切にしたいという人が一定数いるのでしょうか?
それは中世の女性上位の恋愛が1つの要因ではないかと考えられています。
騎士道恋愛物語
そんな、ロマンチック恋愛が南フランスで誕生しました。
結婚とは相反する「恋愛」
フランスの恋愛を作った原型かもしれません。
騎士道恋愛は、大領主と小領主、領主と騎士、領主と農民の間の主従関係という複雑な関係からなる封建社会を背景としていて、登場人物は
1、主君
2、君主の妻である貴婦人
3、主君に使える騎士
の3人です。そして、貴婦人と騎士の間に恋愛関係が生まれる。
騎士は、貴婦人に詩を歌ったり、永遠の忠誠をちかう。
一方で、主君は、嫉妬などあろうものか、見て見ぬ振りをするのがあるべき姿だったそう。
つまり結婚≠恋愛
恋愛=不倫
この方程式が出来上がる。
この恋愛はセックスなしのプラトニックラブ
西欧ではキリスト教の影響で、結婚しなければセックスはできなかった。
実に面白い関係です。
フランスでは「女王」の歴史がない影響かセクシズムが強く、男尊女卑の構造が今も残っている。
中世では、女性軽視も甚だしい社会でした。
しかし、「恋愛」にかんしては、女性が優位に立てる文化であり、この文化を無くしたくないんでしょうね。
だから、フランスではフェミニズムが起きにくく、#MeTooへの反対が起きたのかもしれません。
3.フランス人の性の価値観
このことから、フランスでは不倫へのバッシングがとてつもなく少ない。
日本では、不倫した議員が辞任に追い込まれるまで叩かれるが、
フランスではそもそも不倫はそんなに悪いことではないと考えられています。
フランでは、モラルで不倫を叩く人はいない。
背景である、恋愛は不倫という価値観が刷り込まれているからでしょう。
結婚は制度の一部で、形骸化している。
面白いですね。ここまでくると結婚ってなんでしょう。
と、疑問を持ちます。
ただ、読んでいて大変そうだなと思ったのは、結婚が形骸化しているフランスでは
彼らをつなぐものは恋愛しかない。
実際、事実婚が多いそう。
日本では、恋愛の末一生一緒に添い遂げると誓い、結婚をし、
セックスをしなくなっても一緒にいます。
でも、フランス人は恋愛やセックスが終われば、関係も終わってしまう。
セックスに追いうちをかけられてしまうフランス人も多いのではないでしょうか。
だからこそ、パートナーとは何かということを悩む人もいるらしい。
いかがでしたか?
今回は、フランスは日本の考え方、ヨーロッパの考え方とは違った視点を持っていることがわかりました。
何を取り入れるかは、精査しなければなりませんが、
情報社会の今、アダルトビデオや、ネットの情報だけで偏った性への知識が増えてしまうのは防ぐべきではないでしょうか。
こんかいはこの辺で
ばいばーい